境界確定訴訟の過去の裁判を見ると、地積按分や辺長按分、或いは双方の主張する境界の中間線を境界とする事例があります。当時は、現在のようなパソコンやアフィン変換、ヘルマート変換という復元手法は無かった為、公平な方法として考えれば、やむを得なかった事だと思います。しかし現在においては、複雑な計算式も瞬時に計算できるパソコンや、アフィン変換、ヘルマート変換という復元手法が開発されています。
登記されている大本の面積を考えてみれば、公図の原型となる字限図(あざかぎりず)等から求積され、明治時代に確定されたわけですが、その図面自体がゆがんでいて、縦と横の伸縮率も一定ではありません。この公図等を基に、求積された公簿面積や辺長を按分して境界を決めることが、果たして公平なやり方といえるのでしょうか。
測量図が登記所に提出されていない土地の立会等で「公図は、目安程度で当にならない。」「登記されている面積は、確保したい。」等と主張される方が時々いますが、この二つの主張には矛盾があり、虫のいい話という事になります。公図が当にならなければ、面積も当にならない、というのが正当な理屈になるわけです。
公図を単に拡大又は縮小しても、現地の復元には乏しい限りですが、アフィン変換を利用すれば、現地復元能力が現れてきます。その事例について「公図の形状で測量(復元)」で説明していきます。 |
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